風俗博物館

 紫陽花が大輪の花を咲かせる頃となりました。

先日、京都西本願寺近くにある風俗博物館に行って来ました。

ここでは、源氏物語の光源氏の邸宅、六條院の1/4の縮尺模型があり、書物や絵巻物でしか見られなかった源氏物語の世界が覗けます。人形の着物は全て絹織物、調度品も精巧に作られ、とても艶やかです。

平安時代の貴族が住む神殿造は、母屋を中心として周囲にひさしがあり、大きな空間を御簾や屏風、ふすまなどで仕切って部屋としています。貴族達は、こんな所に住んでいたから小声でゆっくりと話すようになったのでは、と思いました。

 源氏物語に出てくる食品の数は約100強。衣食住の中で衣に比べて1/3にも満たないそうです。模型の中では蹴鞠の時に、椿餅(餡のない餅菓子)、柑子(みかん)、塩漬けの梨を漆のお盆に盛りつけている場面が見られます。扇で顔を隠しながら、2枚の葉に包んだ椿餅を運ぶ人形の様子を見て、とても優美で雅な気分になれました。

 ビルの5階が博物館になっていて、エレベーターで1階に降りると法衣店があります。お坊さんの衣装やお寺で使う小物類が販売されていました。私は(こんな物、売れるのかなぁ)と、ひやかしで眺めていると、お坊さんの団体がどやどやと入って来て、買い物をされていました。お寺でしか見ない木魚や銅鑼、お供え物などがお店に並んでいる光景は京都ならではのもので、日本には、まだまだ私の知らない世界があるものだと感じました。

 興味のある人は、足を運んでみてはいかがでしょうか?以前、紹介した漢字資料館も近くにありますよ。

 

 風俗博物館

〒600-8468 京都市下京区新花屋町通堀川東入る(井筒法衣店5階)

TEL:075-342-5345 FAX:075-351-6947

開館時間:午前9:00~午後5:00迄

休館日:日曜日/祝日/お盆(8月13日~17日)/展示替期間(6月1日~6月30日、12月1日~1月6日)

入館料:一般 500円 中学生/高校生/大学生 300円 小学生 200円

 

                                             (柴田)